銀行の政府債購入に上限設けるべき、資本の裏付け必要=独連銀副総裁

ドイツ連邦銀行のラウテンシュレーガー副総裁は、
危機の際に納税者にかかる負担を軽減するため、
銀行が購入できる政府債に上限を設けるとともに、
政府債の保有に対し資本の裏付けを求めるべき
との考えを示した。
ロイターとのインタビューで語った。

副総裁は、新たな銀行自己資本規制「バーゼルⅢ」を
まとめたバーゼル銀行監督委員会のメンバーも務める。

ユーロ圏債務危機ではスペインやイタリアなど重債務国の
銀行による政府債購入が増加したが、バーゼルⅢでは
デフォルト(債務不履行)リスクに対する資本の裏付けは
求められていない。

ラウテンシュレーガー副総裁は「政府債に関しては、
中期的に保有上限を設定し、リスクを適切に反映した
資本の確保を求めるべき」とし、「現時点の規制では
誤ったインセンテンィブが設けられている」との見方を示した。

その上で、銀行や政府には対応の時間が必要となるため、
移行期間を設けるなど慎重に進める必要があるとし、
「こうした措置は結果的に銀行の健全性を強化し、
市場の信頼感を高めることになる」と強調した。

副総裁はまた、バーゼルⅢの早期導入も信頼感の
改善につながるとし、来年中の導入が望ましい
との考えを示した。

バーゼルⅢ」は来年1月からの段階的導入で
世界各国の首脳が2010年に合意したが、
欧米双方で導入が遅れる見通しとなっている。