為替相場、現時点で行動は不要=オーストリア中銀総裁

欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーの
ノボトニー・オーストリア中銀総裁は、
為替相場に関して現時点で行動する必要はない
との認識を示し、ECBがユーロ相場に目標を
設けることはないとあらためて言明した。

地元紙ザルツブルガー・ナッハリヒテンに
14日掲載予定のインタビューで述べた。

ユーロ高をめぐる質問に対し、「通貨戦争」の議論に
正当性はないと述べ、為替相場は歴史的なレンジ内に
あるとの見方を示した。

「(為替相場は)経済の動きの中で繊細な要素であり、
注視することが賢明だ」としながら、現時点で
行動する必要性は見当たらず、大げさな
反応はやめるべきだと言明。

その上で「状況がより顕著になった場合、
議論が必要になる」との考えを示した。

またユーロ相場は、物価安定の維持における
要素としてのみ妥当性を持ち得ると指摘。

「具体的には、通貨高の際、どの程度デフレ傾向が
生じるかということだ。現時点では見当たらない」とした。
またインフレの危険性もないとした。

中銀の介入は不要かとの質問には「歴史の教訓として、
有効であるためには協調介入する必要がある。現時点で、
協調介入を行う理由も必要性もないと考える」と答えた。

ノボトニー総裁はまた、ユーロ崩壊懸念の後退を受けて、
市場はユーロ圏が安定すると見込んでいるとしたが、
「なお公的支援を必要とする銀行がある。
また国レベルでも、キプロスのように
常に問題が生じる可能性がある」と述べた。

ユーロ圏全体の成長は依然弱いとしたほか、多くの国の
財政は満足のいく状況にはないと語った。