英が今年の成長率を予想の半分に下方修正、中銀責務見直し

オズボーン英財務相20日、議会の予算演説で
今年の英国経済の伸び率は3カ月前の予想の半分の
0.6%にとどまるとの見通しを示した。

その上で、イングランド銀行(英中銀)に
低迷する景気への追加刺激策を求めた。

また「財政再建ペースは望んでいるより遅いが、
引き続き正しい方向に進むべき」とし、
緊縮策を堅持する考えも示した。

財務相は、英中銀の責務見直しを表明。

「非伝統的な金融政策手段」を用いることや、
今後の政策に関して考えをより明確にする必要が
生じる可能性があるとの認識を示した。

インフレ目標は2%で据え置いたが、「過去5年に、
インフレの低位安定が必要であることを
目の当たりにしたが、繁栄への十分条件ではない」
と述べ、それだけでは不十分との考えを示唆した。

その上で「金融政策委員会に対し、インフレ率が
どの程度で目標に戻るか決定する際に行った
トレードオフを明確に提示するようはっきり
義務付けた」としている。

こうした動きにより、景気下支え期間について
より明確に示している米連邦準備理事会(FRB)と
英中銀が類似した政策運営を行う可能性もある。

オズボーン財務相は、キング現総裁及び
カーニー次期総裁共に見直しに同意している
としている。

英中銀はこれまで、2%のインフレ目標
対して柔軟なアプローチを取ってきた。

景気下支えとデフレリスク回避を優先し、
過去5年間の大半はインフレ率が目標を上回っている。

英予算責任局(OBR)は、来年の
経済成長率を1.8%と見込んでいる。

12月予想の2%を下回るが、財務相はフランスや
ドイツよりも堅調な伸びを予想しているとした。

財務相はまた、英国は引き続き財政赤字削減計画の
軌道上にあるとしたが、国内総生産GDP)比の
債務上昇が止まるのは、12月時点の予想より
1年遅くなるとの見通しを示した。

オズボーン財務相はまた2015年からの法人税
20%への引き下げや企業の雇用税減税なども発表した。