欧州委、デリバティブめぐる調査対象にISDAを追加
欧州委員会は26日、取引所のクレジット・デフォルト・
スワップ(CDS)市場参入を投資銀行とともに
妨げようとしていた疑いがあるとして、
国際スワップデリバティブ協会(ISDA)を
競争法違反の調査対象に加えたことを明らかにした。
「欧州委の予備調査結果では、ISDAが投資銀行とともに、
取引所によるクレジットデリバティブ事業への参入を
阻止もしくは遅らせようとした可能性が示された」としている。
欧州委は2011年4月、特定のCDS取引
プラットフォームの開発を阻止しようとした
疑いがあるとして、米JPモルガン・チェースや
バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ、
ゴールドマン・サックス、ドイツ銀行、
英バークレイズなど16行とマークイットに
対して調査を開始。
今回、調査対象をISDAにも拡大した。
EU内の主要デリバティブ取引所である
ドイツ取引所傘下のユーレックスと
NYSEユーロネクスト傘下のライフは、
ともにコメントを差し控えた。
ISDAは規制当局に協力しており、これまで不適切な
行動や欧州連合(EU)競争法に抵触するようなことは
行っていないと確信しているとした。
ISDAはデリバティブ取引に関する国際的な業界団体で、
約60カ国から800以上の銀行、事業会社、商品取引会社、
政府機関などがメンバーとなっている。