株高に浮かれる状況ではない、金利上昇の危険性も考慮=財務相

麻生太郎財務相は27日午前の臨時閣議後会見で、
最近の株高を「浮かれているような状況ではない」
とする一方、歴史的な低水準で推移している
国債金利の上昇について「危険性は考えて
おかないといけない」と述べた。

財務相日本株上昇の背景として、短期保有狙いの
海外勢が買い手の中心となっている可能性を指摘。

「(売買の)内容は全部知らないが、短期(保有)で
回しているということは、利食いですぐ売られる
可能性ある」とした上で「日本経済が間違いなく
良くなると(の見通しが)出れば、中長期(保有)に
変わっていく可能性はある。それがきっちりしない限り、
なかなか浮かれているような状況ではない」と話した。

最近の低金利に関しては、金利上昇リスクを指摘し続けた
これまでの報道に対して「金利は上がると皆、書いていたが
全部外れた。これだけ外せば言うことはない」としながらも
「トレンドは一瞬で変わる。財政再建をきちんと考えている、
中期的にこういったことを考えているとか、いろいろなことが
ないと、国債に対する信用がなくなり、また別の形で売られる
可能性が十分にある。危険性は考えておかないといけない」とした。

昨年12月の衆院選をめぐり「1票の格差」に違憲判決が
相次いでいることには「重く受け止めないといけない。
自分の土俵を決める話なので、なかなかまとまらないのは
毎度のことだが、1日も早く対応するのは大事なこと」
と指摘した。

政府はこの日の臨時閣議で、総額13兆1808億円の
2013年度暫定予算案を決定した。
暫定予算の編成は2012年度に続き2年連続。
歳入は2兆4192億円で、
建設国債1兆5500億円を発行する。

財務相は「暫定予算を編成するとはいえ、
本予算の1日も早い成立に向けて、
引き続き努力したい」と述べた。