スロベニア、支援要請の必要ない=中銀総裁

欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーの
ラニェツ・スロベニア中銀総裁は28日、
同国が支援を要請する必要はないとの見解を示した。

スロベニア通信(STA)が報じた。

市場では、銀行の不良債権が膨らんでいることから、
スロベニアキプロスに続き支援を要請するとの観測が
浮上している。

総裁は「スロベニアは支援を要請する
状況にないと断言できる」と言明。

「だが政策担当者は財政の安定化や、銀行セクター及び
とりわけ実体経済の再生に関し、明確なシグナルを
送ることが肝要」とした。

キプロスの銀行預金が国内総生産GDP)の
3倍の規模に達していたのに対し、スロベニア
GDPの40%未満にとどまっていると指摘。

スロベニアの銀行で異常な資金の動きや
預金引き出しは起こっていないと述べた。

国際通貨基金IMF)はスロベニアの大手3行について、
欧州連合EU)の自己資本基準を満たすため、今年新たに
10億ユーロ(12億8000万ドル)の資本増強が必要との
見方を示しているが、総裁はこれについて確認した。

国有銀行が大半を占めるスロベニアの銀行セクターでは、
不良債権が約70億ユーロと、GDPの20%相当に達している。

だがクラニェツ総裁は、その半分以上について、
引き当て済みと説明した。

3月20日中道左派の新政権を発足させた
ブラトゥシェク首相に対しては、金融機関から
不良資産を買い取る「バッドバンク」の設立や
財政再建、銀行含む国有企業の民営化を
推進するよう求めた。

またユーロ圏を離脱する国が
出るとは想定していないと述べた。