日銀緩和策、日本の生保会社にネガティブな影響=ムーディーズ

ムーディーズ・ジャパンは22日、長期金利の低下を
目的として日本銀行が公表した金融緩和政策について、
日本の生命保険会社に様々なネガティブな影響を及ぼす
見通しとの見解を明らかにした。

今般公表されたレポート「異次元金融緩和政策によって
日本の生命保険業界は多くの課題に直面」において指摘した。

ムーディーズによると、長期金利低下の直接的な
ネガティブな影響は、経済価値ベースでの資本基盤の縮減、
逆ザヤ及び再投資リスクの増加、デュレーション
ミスマッチ削減進捗ペースの鈍化が挙げられる。

低利回りの資産、主に日本国債を購入し、逆ザヤを
悪化させるという戦略を維持するか、もしくは
より高いリターンを追求してリスクを増加させるか
というジレンマを抱える。

ムーディーズは、最近の金融市場の状況が、生命保険会社に
さらなる圧力となり、保険契約者の行動をも変化させ、
生命保険業界にさらなるネガティブな影響をもたらすと見ている。

生存リスクに対する備えの商品に対する需要は
依然根強いものの、新規契約の低い予定利率の副作用が、
新規契約の減少として現れる可能性があるとしている。

ムーディーズが格付けを付与している日本の生命保険会社の
中では、明治安田生命日本生命が相対的に高い資本基盤を
有しており、一方で三井生命は相対的に低い水準にとどまるという。