ブラックスワン出現でもシステム崩壊しない安全策必要=中曽日銀副総裁

中曽宏日銀副総裁は、22日に米ワシントンで開催された
世界銀行主催のイベントで講演し「従来の知識では
予測しえない事象、『ブラックスワン』が出現したときに
システム全体が崩壊しないで済むような安全策が必要」
と指摘した。

また「各国が自国経済の安定化のために行う政策が、
世界経済の振幅拡大や国際金融システムの不安定化をもたらし、
自国経済に跳ね返ってくる可能性もある」とし、先進国各国が
進める金融緩和が副作用を生むリスクも指摘した。

中曽副総裁は、グローバル化が進むに伴い、中央銀行
従来の「最後の貸し手(LLR)」としての機能に加え、
金融資産市場を凍結から守る「最後のマーケット・
メーカー(MMLR)」としての機能も求められつつある
現状について論点整理を行った。

中央銀行が財務基盤の弱体化を懸念して金融資産の
買い入れによる「資金供給を絞り込めば、市場流動性
縮小が止まらず、買い入れた金融商品や貸出担保の
市場価値の低下が進み、結果として自己資本
き損されるリスクがある」と指摘した。

グローバル化が進めなかで「金融システムの安定化には
国家単位の金融システム政策を超えた国際的な規制・
監督の仕組みが必要」と強調した。