スペインが新経済計画を発表、今年の成長率予想を下方修正

スペイン政府は26日に発表した新たな経済計画のなかで、
2013年の実質国内総生産GDP)伸び率予想をマイナス1.3%とし、
従来予想のマイナス0.5%から下方修正した。

2014年に0.5%のプラス成長を達成すると予想した。

2013年の財政赤字の対GDP比率は6.3%、
これまでの予想の4.5%から上昇した。

欧州委員会は、欧州連合EU)が定める財政赤字
GDP比率目標をスペインが達成する期限について、
2016年までの2年間延長は理解できるとの立場を示した。

ただ、正式決定は5月29日まで待たねばならない。

国際通貨基金IMF)も緊縮路線を緩めるスペインの方針を歓迎、
財政再建の一助になると共に雇用を下支えするものと評価した。

デギンドス経済相は、修正後の成長率見通しと財政赤字GDP比率は、
すでに欧州委員会とユーロ加盟各国の承認を得ているとし、
スペイン経済は回復に向けた軌道に乗っていると強調。

「2014年は回復の年になる」と述べた。

当局は、経済をプラス成長に戻すための改革案の構想に着手した。

だが、新たな目標達成に追加の構造改革増税
歳出削減は必要ないとして、詳細はあいまいなままだ。

サンタマリア副首相は記者会見で「2012年に行った措置で、
国民に新たな努力をお願いしなくても良い状況となった」と述べた。

副首相は新しい予想は保守的なもので、ユーロ圏経済が
ゆるやかに回復し、政府の借り入れコストがさらに
低下することで恩恵を受ける可能性があるとした。

ラホイ首相は、歳出の規律を常に保つとしているものの、
これまでよりも成長刺激に力を入れる姿勢も示している。

新計画はこの戦略に沿った内容となった。

政府は来年にも減税を行うとの公約撤回を余儀なくされる一方、
2015年の所得税減税計画に変更はないとした。

消費税も据え置くが、エネルギーや法人税は見直すとした。

公的年金制度の新たな改革や、中小企業の成長を
促す政策なども計画に盛り込んだ。

国家統計局(NSI)が25日に発表した第1・四半期の
失業率は27.2%と過去最悪の水準を更新。

政府は失業率は2013年は27.1%、2014年は26.7%、
2015年は25.8%になるとし、当面は高止まりする
との見通しを示した。