豪中銀がインフレ見通し引き下げ、金利見通しは示さず=金融政策報告

オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)は
10日発表した金融政策報告の中で、インフレ見通しの
引き下げや来年も成長がトレンドを下回るとみられることが、
今週利下げを実施した要因だと指摘した。

追加緩和の可能性については
明確なシグナルを示さなかった。

ただ、中銀は資源投資のピークが近づいていることや
豪ドル高、政府支出の引き締めが今後1年間ほど
成長の足かせになるとの見解を示した。

中銀は、7日に決定した25ベーシスポイント(bp)の
利下げについて「インフレがこれまでの予想よりもやや低下し、
来年も成長がトレンドを下回る見通しであることを踏まえ、
理事会はキャッシュレートのさらなる引き下げが持続可能な
経済成長を支援し、インフレ目標の達成に合致すると
判断した」としている。

2011年終盤以降計175bpの利下げを実施してきた
豪中銀は7日、政策金利を25bp引き下げ、
過去最低の2.75%とした。

市場では来月の追加利下げの
確率が25%織り込まれている。

また、政策金利が今後12カ月間に2.25%まで
低下する可能性もほぼ完全に織り込まれている。

中銀は、家計の借り入れ意欲が高まっていることや
住宅価格の上昇、消費支出の伸びなど経済の一部に
金利の効果が表れていると指摘。

その上で、主なリスクは借り入れコストの
低下によって住宅価格が想定よりも速いペースで
上昇する可能性だとの認識を示した。

一方で設備投資は引き続き弱く、企業は依然として
大幅な事業拡大に慎重だとし、これが労働市場
抑制する一因になっていると指摘した。

基調インフレ率については
年末までに2.25%になると予想。

2014年は2〜3%の目標レンジ内で
推移するとの見通しを示した。

国内総生産GDP)伸び率については
2013年が2.5%、2014年が2.5〜3.5%と
見込んでいる。

労働市場が一段と軟化し、豪ドル高による輸入物価の
下落圧力がさらに強まった場合、インフレは予想よりも
低下する可能性があるとしている。

オーストラリアの主要輸出市場に関しては、
第1・四半期の中国GDP伸び率がやや減速したものの、
同国の目標に一致していると指摘。

日本の見通しについては改善したものの、
最近の景気刺激策の効果をめぐる先行き
不透明感が強いとの見解を示した。

米経済に関しては徐々に
改善していると指摘した。

豪中銀は持続可能な成長と低インフレを促進するため、
必要に応じてキャッシュレートを調整する方針を
改めて示した。