キプロスめぐるリスクは異例の高さ、緊縮実行が不可欠=IMF

国際通貨基金IMF)は17日、キプロスのぜい弱な
国内銀行セクターや経済情勢を考慮すれば、同国が
直面するリスクは「異例に高い」と指摘し、緊縮計画を
完全に実施することが不可欠との見方を示した。

IMFはスタッフ報告書で、キプロス経済は
銀行セクターの危機によって予想できない影響を
受けるリスクや、景気後退が予想以上に
深刻になる可能性に直面していると指摘。

「見通しや債務の持続可能性に対するかなりの
リスクを踏まえれば、(緊縮)実行に遅延の余地はない」
と強調した。

また、キプロス債務危機による国内経済への影響は、
ギリシャを除く他のユーロ圏重債務国の場合よりも
長期化するとの見方を示した。

IMFは、 銀行部門の見通しや資本規制が早計に
緩和されるリスクに加え、政府が政策措置を
実行に移す決意が揺らぐ恐れがあるとし、
キプロスの金融部門が抱えるリスクは
特に高くなっていると指摘した。

その上で、こうしたリスクが現実のものになれば、
債務が増加し、債務の持続可能性を確実にするための
追加的な支援措置が必要になる可能性があると警告した。

IMFキプロスの経済成長率が、2013年は
マイナス8.7%、2014年はマイナス3.9%になると予想。

2015年にはプラス1.1%と、わずかながら
プラス成長を回復するとの見方を示している。

ただ成長率は2020年までプラス1.75%と、
同国の過去30年間の平均である4%を
大幅に下回るとの予想を示した。