景気判断2カ月ぶり上方修正、「緩やかに持ち直し」=月例経済報告

政府は20日に発表した5月の月例経済報告で、
景気は「緩やかに持ち直している」として、
基調判断を2カ月ぶりに上方修正した。

米国向けを中心に輸出が持ち直しの兆しが見えていること、
生産や収益も改善の動きが出ていることを反映させた。

消費者物価も、円安による輸入物価上昇や価格競争が
やや緩和していることなどから下落テンポが緩やかに
なったとの判断を加えた。

政府の景気判断は今年に入り、
4月を除き毎月上方修正されてきた。

5月も、輸出や企業収益、生産の3項目を
上方修正し、全体の判断を引き上げた。

輸出は先月の「下げ止まりつつある」から
「持ち直しの兆しがみられる」に上方修正。

米国向けの持ち直しに加え、中国向けも尖閣諸島問題を
受けた悪化がやや和らいできたこともある。

生産は「緩やかに持ち直している」と上方修正した。

3月の生産が4カ月連続で増加しており、自動車をはじめ、
鉄鋼や化学も連動して改善している。

企業収益は「改善の兆し」を
「改善の動き」 として上方修正。

企業決算をみると増益基調と
なっていることを反映させた。

このほか、設備投資は先月からの
「下げ止まりつつある」を据え置き、
3月機械受注でそうした動きが読み取れる
ことなどを挙げた。

公共投資も4月は大幅に増加傾向となっており、
経済対策の効果が出てくることが確実だ。

物価は「緩やかなデフレ状況にある」との表現は
据え置いたが、「このところ一部に変化の兆しも
見られる」と付け加えた。

輸入価格の上昇が国内企業物価を押し上げているほか、
消費者物価も特殊要因を除いてみると横ばい程度に
改善しているため、「下落テンポが緩やかになっている」
との表現を加えた。