EU新法、「大き過ぎてつぶせない」銀行なくす鍵=英中銀副総裁

20日欧州議会の委員会で決議にかけられる欧州連合
EU)の銀行再生・破綻処理についての新法は、
加盟国が「大き過ぎてつぶせない」金融機関を
助ける意志がないことを市場に理解してもらうことに
役立つだろう、とイングランド銀行(英中央銀行)の
タッカー副総裁はこの日述べた。

タッカー副総裁はまた、この新法が世界的な制度作りの
一里塚となると指摘し、新法は世界的な枠組みがあって
初めて金融機関の破綻時に預金者を損失負担から
完全に守ることになると指摘した。

欧州議会の経済委員会は20日
初めてこの法案を決議にかける。

この新法によって規制当局は金融機関に問題が生じた際に、
債権者による負担損失や役員の交代などの措置を命じることが
可能になる。

オランダでの講演でタッカー副総裁は、世界中で
事業展開している銀行をどのように段階的に
縮小していくのかについては世界的に見解の
著しい集約が今まであったと指摘した。

しかしさらなる政治的な勢いが必要だとも述べた。

新法は、金融機関に対して、納税者の負担なしに
資本増強できるように株式に転換可能な債券を
保有することを強いることを可能にする。

このような「緩衝装置」については世界的な議論も
必要だとタッカー副総裁は指摘し、金融機関が
保有する資本バッファー中の資本と安全のための
追加的マージンに相当する大きさの緩衝装置が必要だと述べた。

大きな金融機関は、2019年までに最大9.5%相当の
コア自己資本比率を確保することが求められる。

タッカー副総裁は10万ユーロ(12万8000ドル)以下の
小口預金者は、どのような場合でも保護されるという
EU内で大勢の意見に支持を表明した。

新法でもこのことが確認される見通し。

大口預金者は損失負担の対象となることは先週
EU財務相間で合意されており、今回の新法でも
そのことが含まれる見通し。

しかし大口預金者は
債券保有者よりも後回しにされる。