日本経済は堅調に回復、うろたえる必要ない=株急落で甘利再生相

甘利明経済再生担当相は23日夕、この日の東京株式市場で
日経平均株価が急落したことについて、中国で発表された
経済指標が悪化したことをきっかけに、株式市場で
利益確定の売りが集中したためだとして「日本経済は
堅調に回復している最中。うろたえる必要はない」と述べた。

再生相は日経平均が急落した原因として、HSBC
日本時間午後に発表した5月の中国製造業購買担当者
景気指数(PMI)速報値が7カ月ぶりの低水準となった
ことに言及。

「このことを受けて、日経平均は連続で上がり
続けていたので、利益確定売りのタイミングを
探していた投資家が集中してしまったためだと思う」
と分析した。

ただ再生相は、中国PMIの低下幅が「そう大きいものでは
ないし、火元の中国株の下げ幅もそう大きいものではない」
とも指摘した上で、「今後は市場の動向をしっかり注視したい」
と話した。

再生相によると、前日比で1000円を超えた
この日の下げ幅は、戦後11番目の大きさ。

再生相は大幅な下落について「うろたえることなく、
しっかりと成長戦略を遅滞なく、フォローアップ体制も
しっかり策定しながら、実施に移していくことだ」
との考えを表明。

「日銀は日銀として、市場と対話をしっかりやっていく。
政府も地に足をつけて、成長戦略にしっかり取り組み、
財政再建のスケジュールも示す」と強調した。

大規模な金融緩和を伴う安倍政権の経済政策
アベノミクス」の副作用を懸念する声には
「このところ(株価は)一本調子で上がってきた。
上昇のスピードも想定より、かなり早いと思っていた。
市場関係者は節目で(利益)確定売りをしながら、
推移を見ていくところがある。一本調子で上がった中で、
利益確定売りの思惑が揃ってしまったということでは
ないか」と述べるにとどめた。

株安に「狼狽することなく、しっかり
経済対策を引き続きやっていく」という。

日経平均の急落を受けて、
外国為替市場で円相場が急騰。

対ドルで一時100円台まで上昇したことには
「株価と為替には相関関係がある。これだけ
(株価の)下げ幅が大きいと、当然円高
振れていく」と述べ、「うろたえることなく、
しっかり地に足を付けた政策を落ち着いて
推進する」との考えを示した。