債券購入縮小前に米景気回復示す一段の裏付け必要=FOMC議事録

米連邦準備理事会(FRB)が22日に公表した
4月30〜5月1日の連邦公開市場委員会FOMC
議事録によると、多くのメンバーが、債券買い入れ
プログラムの縮小へと移る前に、米景気が
回復していることを示す一段の裏付けが
必要との認識を示した。

議事録は「労働市場の見通しは、プログラムの始まった
9月以降、進展を示していると大半の参加者が評価した」と指摘、
「ただこうした参加者の多くは、買い入れペースの緩和が
適切となる時点までに、進展の継続や見通しへの信頼感の高まり、
または下向きリスクの縮小が必要との認識を示した」とした。

FRBは1日発表した連邦公開市場委員会FOMC)声明で、
借り入れコストを引き下げ、景気浮揚を図るため、
月額850億ドルの資産買い入れを継続する方針を示している。

FOMCでは債券買い入れ策の縮小開始時期をめぐる
メンバー間の意見の相違を反映し、活発な議論が交わされた。

議事録は「成長が十分堅調で持続的であることを裏付ける
経済情報が得られた場合、早ければ6月の会合で
買い入れペースを緩和することに数人の参加者が
前向きな姿勢を示した」とした。

バーナンキFRB議長もこの日の上下両院合同経済委員会で
行われた証言で、経済の勢いを示す徴候がさらに増えなければ
資産買い入れを縮小させることはできないとの見解を示した。

2008年終盤から継続している事実上のゼロ金利政策
大規模な資産買い入れ策によって3倍以上の規模に
拡大したバランスシートをめぐっては、将来のインフレ高進や
金融不安定化につながる可能性があると警鐘を鳴らす声は少なくない。

議事録によると、数名のFOMCメンバーが、
低格付けの社債など、一部金融市場の状況が
過熱し過ぎていることに懸念を表明した。

一方、議事録は米経済指標が強弱入り混じる
内容となっているほか、インフレ率がFRB
目標とする2%を下回って推移していることを指摘。

複数のメンバーがインフレ期待は引き続き安定的に
推移しているものの、低水準のインフレ率には注視が
必要と強調した。

議事録は「数名の参加者は、インフレ率が
さらに低下するようであれば、追加的な
金融政策対応が正当化される可能性が
あるとの見解を示した」とした。

会合では従来の出口戦略の見直しも行われ、
「2年前に策定した戦略の大まかな原則は
引き続き有効のようにみられるが、保有資産の
規模や構成の変化など、状況は当時から
変わっており、政策の正常化に向けた
詳細をめぐっては一段の柔軟性が必要で
あることを示している」とした。

次回FOMCは6月18〜19日に開かれる。