材料目白押しで、結局動けず

今週の為替相場は、材料目白押しで、
結局、動けない展開となる可能性が
予想されます。

市場の一番の関心事項は、米国による
シリア攻撃がどの様な形で行われるのかに
集まっています。

いの一番に、米軍と歩調を合わせると
見られていた英国が議会の反対で武力介入に
参加しないことになりました。

フランスは武力介入に前向きな姿勢を
見せていますが、ドイツなど他の欧州諸国は
腰が引けています。

トルコは介入に前向きですが、米国を中心にした
参加国の少ないシリア征伐になる可能性が
強まっています。

オバマ米大統領は、どんな理由を
挙げてシリアを攻撃するのでしょうか。

先のイラクに対する武力攻撃で、米国が
イラク征伐を実施した理由が嘘だったことが
判明して、米国の武力行動は言い掛かりの域を
出ていないことが明らかになりました。

今回も、心証は米国が主張している通りと
思いながらも、信じきれない思いが国際社会には
あるのだと思います。

それだけイラク征伐の理由に挙げた
大量破壊兵器イラク保有しているという、
嘘の影響が大きかったのです。

イラクフセイン政権は妥当しましたが、
今もイラクは混乱が続いています。

ある意味、国の体を為していない、
米国の嘘の結果はイラク国民に
多大な被害を与えたわけです。

だから、イラク征伐時と違って、
米国のシリア征伐の呼び掛けに
応じる国が少ないのです。

このため、今回のイラク征伐は
限定的なものにとどまると言われています。

市場も限定的な攻撃なら、市場に対する影響は
軽微なものにとどまると見ているようですが、
これまでの軍事介入から見ても、当初限定的な
ものでもエスカレートしていくと見る必要が
ありそうです。

このほか、今週は多くの材料が出ます。

まず、各国中央銀行政策金利
決定する会合が開催されます。

欧州中央銀行(ECB)、イングランド銀行
カナダ中央銀行、オーストラリア中央銀行
そして日銀が金融政策決定会合を開催します。

どの国も、政策金利は据え置きと見ています。

今、足元で政策金利を変更する
理由がないと思われるからです。

ただ、政策スタンスは注目されます。

緩和的であるのか、引き締めに転じようと
しているのか、中央銀行関係者の発言を見て
判断するものと思います。

米国が金融緩和の縮小に傾いているだけに、
緩和を強化するような発言が出れば、
当該通貨は売り圧力が強まると見ています。

さらに、米国では雇用統計が発表されます。

金融緩和縮小の大きな後ろ楯となるだけに、
雇用統計の改善が続いているのか、
否かが注目を集めるものと見られます。

特に、金融緩和縮小の見方に偏っているだけに、
雇用統計の改善が遅れているようなら、
これまでの反動のドル売りが強まることに
注意が必要だと考えます。

このように、今週は大きな材料が目白押しで、
週末の米雇用統計が出るまでは動けないことに
なる可能性があります。

焦らず、じっと材料を見極めて、
長期的なポジションを構築する
大事な週になるかも知れません。

予想レンジは、
ドル円が95.20〜101.20円、
ユーロ円が125.20〜133.20円、
英ポンド円が145.20〜155.20円、
ドル円が81.20〜89.20円。