米債務上限引き上げ、失敗すれば政府機関閉鎖より影響大きい=ムーディーズ

格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは24日、
米国の債務上限引き上げ問題について、期限までに
引き上げられない場合、政府機関閉鎖よりも金融市場に
大きな影響が及ぶとの見方を示した。

ムーディーズはリポートで、米国は政府機関の窓口閉鎖の
事態を回避し、法定上限を引き上げると予想していると指摘。

だが債務上限の引き上げに失敗すれば、「理論的には、
債務返済を含め、政府の歳出すべてに影響が及ぶ」とした。

ただムーディーズで米ソブリン格付けを担当する
首席アナリスト、スティーブン・へス氏は
「こうした短期的な出来事の結果として
(格下げは)予想していない」と指摘。

上限引き上げ問題や政府機関閉鎖が米国の格付けに
影響を及ぼす公算は小さいとの見方を示した。

「格付けは短期的な出来事ではなく、債務の
より長期的な見通しに基づいて行われる」とした。

また米国債は国際金融市場のベンチマークであり、
「デフォルト(債務不履行)すれば世界的な
金融問題を引き起こす」と指摘。

債務引き上げ問題が行き詰った場合でも、
米国は利払いを継続するとの見方を示した。

ムーディーズは米国の格付けを「Aaa」、
格付け見通しを「安定的」としている。