豪銀行システムは健全、低金利に起因するリスク警戒=豪中銀報告書

豪準備銀行(中央銀行)は25日発表した報告書で、
オーストラリアの金融システムは比較的強固な状態を
維持しているとの見解を示した。

ただ、銀行に対し、低金利環境下で無用なリスクをとったり、
融資基準を緩和しないよう警告を発した。

国内主要銀行については、収益をあげているうえ、
資産のパフォーマンスは着実に改善しており、
より厳格な国際流動性基準も達成できると評価。

ただ、融資に大きく依存していることを考えると、
引き続き与信の伸びが弱いことが主要なリスクと指摘した。

企業及び家計のバランスシートの状況は良好で、
どちらにも、金融セクターを不安定化させる兆しは
ほとんどみられないとした。

ただし、最近の不動産市場における自己運用年金基金
動きを潜在的な懸念要因に挙げ「この分野は現在は、
金融の安定性に関し重大なリスクをもたらしていないが、
家計部門の資産状況にとって重要であり、今後、
注視することを正当化する面が多々ある」と指摘した。

自己運用年金の不動産投資は、法改正で可能になったのを受け、
近年増加していると指摘し、不動産投機の源になる可能性を
はらんでいるとの見方を示した。

国際金融規制改革については、一部の国で実施が
遅れている措置があるものの、合意された予定に
沿って進んでいるとの見解を示した。