米経済は緩やかな拡大継続、財政問題で不透明感=ベージュブック

米連邦準備理事会(FRB)は16日発表した
地区連銀経済報告(ベージュブック)で、
米経済が9月から10月上旬にかけて、
引き続き「控えめから緩やかな」ペースで
拡大したとの認識を示した。

財政問題をめぐる不透明感で信頼感が
幾分弱まっているものの、景気の勢いは
引き続き堅調との見方だ。

報告は「12地区の報告は、9月から10月上旬に
かけての期間中、国内経済活動が控えめから
緩やかなペースで拡大を続けたことを示した」とした。

また「各地区の調査対象企業は全般的に、
将来の経済活動の見通しついて引き続き
慎重ながら楽観的だった」としつつ、
「政府機関閉鎖と債務上限協議を主な要因とする
不透明感の増大を指摘する向きも多かった」と報告した。

政府機関の一部閉鎖で経済指標の発表が滞っており、
ベージュブックは閉鎖開始以降の米景気を判断する上で
大きな手掛かりとなる。

ただ、今回の報告はシカゴ地区連銀が10月7日までに
入手した情報に基づき作成しており、閉鎖開始から
1週間分の状況しか反映されていない。

政府機関の一部閉鎖で、9月の雇用統計の発表は
延期を余儀なくされており、雇用と失業という
最も重要なデータが不足している。

だがFRBは慎重なペースながらも、
就業者数は引き続き拡大したと判断している。

「雇用の伸びは9月も引き続き小幅だ。医療保険制度改革
オバマケア)の導入や財政政策全般をめぐる不透明感を理由に、
複数の地区で増員には慎重との報告があった」としている。

報告書はまた、物価及び賃金圧力は依然抑制されていると指摘。

消費支出はやや増加しており、自動車販売は
堅調な一方、小売売上高は横ばいとしている。
設備投資は大半の地区でやや増加した。

報告書からは、米経済のけん引役である住宅市場も
底堅さを維持していることがうかがえる。

建設、不動産活動は9月も引き続き改善したとしており、
住宅販売は拡大、価格は上昇するとともに、在庫は
引き続き低水準にとどまっていると指摘している。