中国人民銀、インフレ上昇に伴い流動性調整で政策を小幅引き締めへ=政策委員

中国人民銀行の宋国青・金融政策委員は、
インフレ上昇により中銀は金融政策を
緩やかに引き締める可能性があるとの
見解を示した。

ただ金利引き上げよりも短期市場での
流動性を調整する可能性が高いとした。

北京大学教授で学会を代表して政策委員を務めている
同委員は「インフレ上昇に伴い政策は若干引き締められるだろう。
銀行貸出に一部懸念がある」と指摘。

「政策調整は主に公開市場操作に委ねられ、金利
銀行準備率の変更は予期していない」と述べた。

国内住宅価格が急騰するなか、同委員の発言は
当局の政策のジレンマを浮き彫りにしている。

中国当局は、借り入れによる不動産価格の急騰など
市場や経済の不均衡が拡大する事態を回避したい一方、
緩やかな景気回復の勢いを削ぐ恐れがあるとの懸念から
不均衡是正のために強力な政策手段を講じることには消極的だ。

宋委員は、資産価格よりも消費者物価上昇率のほうが、
中銀が政策を調整する際の目安となっていると指摘。

需要は横ばいのため国内の消費者物価の急上昇は
見通していないとし、景気の上振れ余地も限定的と述べた。

政策の微調整を通じてインフレを十分に安定化できるとし、
第4・四半期のインフレ率は3.1%と予想、通年でも中銀の
目標水準3.5%を下回ると述べた。

経済成長率については、第4・四半期は7.5%と
前四半期の7.8%から鈍化する可能性があるが、
それでも通年では7.6%と目標の7.5%を
上回ることが可能との見方を示した。

政府はインフラ投資や外需依存の経済構造を
変革しようと試みているが、宋国青委員は投資が
引き続き成長のエンジンとし、「代わりのものは
当面ない」と述べた。