ユーロ、来年も上昇傾向継続=欧州委経済見通し

欧州委員会は5日、2013年のユーロは記録的なペースで上昇し、
その上昇が2014年も維持されるとの見通しを示した。
先月、ユーロはドルに対して2年ぶり高値を付けた。

欧州委によると、ユーロは先進国通貨のバスケットに対して、
今年は5.8%、来年は0.9%上昇する見通し。

ユーロの急上昇で輸出競争力が削がれ、長年にわたる
不況からの回復が阻害される可能性がある。

こうしたなか、イタリアの財務相欧州中央銀行
(ECB)に対しユーロの上昇を食い止めるために
利下げの実施を要請。

大手フランス企業の間でもユーロ高で
業績が圧迫されるとの懸念が出ている。

欧州委員会のレーン副委員長(経済・通貨問題担当)は、
ECBは利下げを検討する必要があるかとの質問に対し、
「ECBには対応する用意がある。当然のことを言うことで
ECB独立性を侵害したくない」と述べるにとどめ、
直接的な言及は避けた。

ECBの主要政策金利であるリファイナンス金利
現在0.5%と、すでに過去最低水準。

ただ、欧州連合EU)統計局発表の10月のユーロ圏の
EU基準消費者物価指数(CPI)速報値は
前年同月比0.7%上昇と、約4年ぶりの低水準と
なったことから、ドラギECB総裁は一段の
緩和実施の用意があることを示唆するとの見方も
出ている。