ユーロ圏、日本のような「失われた10年」に直面せず=アスムセンECB専務理事

欧州中央銀行(ECB)のアスムセン専務理事は21日、
ニューヨークで講演し、ユーロ圏は日本が1990年代に
経験したような「失われた10年」には直面しないと
強調した上で、すでに始まっている段階的な景気回復を
改革が後押しするとの見方を明らかにした。

外交問題評議会で講演した。

専務理事は、ユーロ圏はこの10年を有効に活用しており、
「問題を根本から解決している」と述べた。

専務理事は、ユーロ圏に強力な清算カニズムを持つ
銀行同盟を構築するよう呼びかけた。

それによって、問題のある銀行に対処するとともに、
経済改革やより緊密な政治統合を目指すべきとしている。

専務理事は「最近の経済統計は、ユーロ圏が回復への道を
段階的に進んでいることを示唆している。ただ、その道が
どこに向かうのかについては、なお懸念がある」と指摘。

「その道のりがあまりに長く険しいため、欧州は日本が
1990年代に経験した『失われた10年』に直面すると
みる向きもいるが、私はそうは思わない」と述べた。

金融政策ではユーロ圏の構造問題は解決できないと
述べる一方「調整の時期を通じて物価安定を
維持することが肝要」と指摘した。