マイナス金利で新たなニュースはない=ECB総裁

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は21日、
中銀預金金利をマイナス圏に引き下げることについて、
ECBは何も新たに発表することはないと述べた。

同総裁は南ドイツ新聞が主催した会合で、
「私の発言から、中銀預金金利をマイナス圏に
引き下げることについて何かを推測しようと
しないで欲しい」とし、「記者会見で明らかにした通り、
前回の理事会でこの件に関して討議したが、その後、
新たなニュースはない」と語った。

さらに「だからはっきりさせておこう。人は物事を
一緒にして、思い思いの夢を見る傾向がある」と述べた。

ドラギ総裁は7日の理事会後の記者会見で、
経済状況に正当化されれば、マイナス金利
踏み切る「技術的な用意は整っている」
との見解を示している。

ECBは同理事会で、主要政策金利である
ファイナンス金利を過去最低となる0.25%に
25ベーシスポイント(bp)引き下げることを決定。

上限金利の限界貸出金利も25bp引き下げ、
0.75%としたが、下限金利の中銀預金金利
0.0%に据え置いた。

ドラギ総裁が直ちに行動を起こさない意向を示した
との受け止めが広がり、ユーロはドルに対して一時、
取引時間中の高値となる1.3477ドルまで上昇した。

ドイツ連邦債先物は、取引時間中の安値に下落した。

ドラギ総裁はまた、利下げはユーロ圏で
デフレリスクが実体化する恐れがあると
示唆したのではなく、デフレに対する
安全域を回復するために行ったと説明した。

ぜい弱な景気とともに、「スローモーション」の
ディスインフレが数カ月間みられ、低インフレの
期間が長引く可能性があるとの認識を示した。

また、ユーロ圏の景気については、回復しつつ
あるものの、そのペースは一様でなくぜい弱だ
との見解を示した。

また、景気見通しに対する
リスクは依然下向きと指摘した。