欧州にデフレリスク見られず=クーレECB専務理事

欧州中央銀行(ECB)のクーレ専務理事は25日、
欧州ではディスインフレが当面続く見通しだが、
経済は回復しつつあり、インフレ期待が2%前後で
推移しているため、デフレにつながることはない
との見解を示した。

「パリ・ユーロプラス・
ファイナンシャル・フォーラム」で述べた。

専務理事は、欧州経済は安定しつつあり、
銀行セクターも力強さが増していると指摘。

その上で、政策当局者は失業率押し下げと
設備投資促進に向け構造改革を進める必要が
あると強調した。

ユーロ圏のインフレ率は0.7%とECBの目標の
2%弱を大きく下回っており、このところ複数の
ECB当局者が、新たな緩和措置に前向きな姿勢を
示している。

クーレ専務理事は、今月の利下げについて、
デフレリスクがユーロ圏で顕在化したためではなく、
ディスインフレの兆候がみられたためと説明。

「ユーロ圏でデフレリスクが顕在化したから
行動したのではない。むしろ、インフレ率について
ゼロを上回る水準で十分な余裕を維持するためだった」
と語った。

また、ユーロ圏経済は再び成長しつつあり、インフレは
非常に緩やかに2%をやや下回る水準に戻る見込みだとした。

ただ、金融政策だけでは持続可能な
景気回復を確実にはできないと指摘。

潜在成長率を高め、低成長見通しが企業の投資を
遅らせさらなる低成長見通しにつながる悪循環を
回避するため、大規模な構造改革も必要との見解を
示した。