物価目標2%は野心的、必要に応じて緩和調整=日銀総裁

日銀の黒田東彦総裁は25日都内で開かれた
「パリ・ユーロプラス」会合で講演し、日銀の
想定通り物価は上昇しつつあると異次元緩和の
効果に自信を示す一方、「2%目標達成は確かに
野心的」と指摘、必要ならば追加緩和を
辞さない姿勢を改めて示した。

日本経済について、消費者物価指数上昇率は
0.6〜1%のレンジで推移しており、4月に始めた
巨額の国債買い入れで資金供給量を倍増する
「異次元緩和」は「所期の効果を果たしている」
と強調した。

物価は今後も上昇基調にあり、想定通り2%への
軌道に乗っている、とし「2013年度末には1%、
2014年度終わりから2015年度初めには2%の
目標を達成する」との見通しを示した。

一方、「過去15年間デフレが続いた
日本では2%目標は確かに野心的」とも指摘。

その上で、2%の物価目標は多くの国が採用している
世界標準で、日銀の採用は「少し遅れた」と述べた。

「2%物価目標を安定的に達成するため、
今後数カ月・数年間は超緩和的政策を継続する」
と述べ、目標達成には「上下双方向のリスクがあり、
必要に応じて政策を調整する」とした。

黒田総裁は、金融緩和の副作用についても触れた。

「金融不均衡の察知や、企業向け金融の活性化策について、
我々が明快な回答を持ち合わせているわけではなく、
今後とも検討を続ける必要がある」と述べた。

量的緩和の副作用については「色々な国で
議論されている」が、「短期金利が非常に
低い際に経済が金融緩和を必要とすれば、
非伝統的措置をとる以外方法ない」と総括。

「非伝統的金融政策は副作用や(他国で資金流入を招く)
スピルオーバー効果など不確定要因あるかもしれないが
克服する必要がある」と述べた。

世界で初めて量的緩和政策に踏み出した日銀は
「(量的緩和など)非伝統的金融政策の長所と
短所を経験した最初の中央銀行」と述べた。

量的緩和の結果、短期市場金利がマイナスと
なる場合の「インプリケーションについては、
はっきりわからない」と語った。