国債買い入れが市場に与える影響、注意深くみていきたい=日銀総裁

黒田東彦日銀総裁は29日午前、衆院財務金融委員会に出席し、
日銀の巨額の国債買い入れが市場に与える影響について、
注意深くみていきたい、との認識を示した。

また、日本の長期金利水準は、かなり低く安定的に
推移しているとした上で、海外の長期金利上昇など、
国際的な影響を注視していく、とした。
鷲尾英一郎委員(民主)の質問に答えた。

総裁は、日銀の巨額な国債買い入れなどによって、
日本の長期金利が0.6%台と低位で推移していると
指摘しつつ、「巨額買い入れの(市場への)影響は、
注意深く見ていく」と述べた。

また、日本の長期金利が「かなり低く安定的に
推移している」のに対し、欧米の長期金利
上昇していることに関連し、「国際的な影響について
注視していく」と語った。

総裁は日本の財政や国債の信認が「影響を受けるようなら、
長期金利を低位に安定させることも含め日銀として)
対応が難しくなる恐れがある」と指摘した。

日銀の巨額買い入れが財政ファイナンスと思われる
リスクについて聞かれ、総裁は「現在も財政ファイナンス
行っていないし、今後もその考えはまったくない」と答えた。

さらに総裁は「わが国の債務は累積しており、
財政の持続可能性への信認の維持が、
極めて重要である」との見解を示した。