英中銀の12月金融政策委、ポンドの一段高による打撃を警告=議事録

イングランド銀行(英中央銀行BOE)が発表した
12月の金融政策委員会の議事録では、ポンドの一段の
上昇が英経済の回復にリスクをもたらす可能性への懸念が示された。

英中銀政策委員会は、過去1カ月間にポンドが2%上昇
したことは景気見通しの改善を反映しているとする一方、
さらに上昇すれば英国の輸出に打撃を与える可能性が
あると警告した。

議事録は「ポンドがさらに大幅上昇すれば、バランスの
取れた需要の伸びや景気回復にとって一段のリスクを
もたらす」としている。

議事録によると、資産買い入れ枠
据え置きは全会一致で決定。

金利据え置きも9対0で決定していた。

中銀はポンドの上昇に加え、政府が12月初めに
家計が負担する公共料金の上昇抑制策を取ったことが
インフレ見通しの改善につながったと指摘。

公共料金の上昇が抑制されれば、インフレ率は
これまでの予想から0.15%ポイント押し下げられ、
2014年序盤に約4年ぶりに2%の目標に達する
可能性があるとした。

インフレ見通しやインフレ期待、金融状況の安定を踏まえ、
8月に示したフォワドガイダンスを維持、失業率が7%に
低下するまで金利を引き上げない方針を改めて示した。

英中銀は当時、失業率が7%に低下するまでには
最低3年はかかると予想していた。

しかし、失業率は中銀の予想よりも速いペースで低下、
国際労働機関(ILO)ベースでみた7〜9月の
3カ月間の失業率は7.6%、8〜10月の3カ月間の
失業率は7.4%に低下した。

CPI上昇率は前月2.1%と
4カ月ぶりの低水準となった。

中銀は前月、金利が据え置かれた場合、失業率は
来年の今ごろに7%に達するとの見通しを示した。

議事録は、景気の改善が生産性の景気循環的な
回復をもたらしていないことについて理解し難い
と指摘。

生産性が向上しなければ、インフレが高まる可能性があり、
中銀が望ましいと考える時期よりも早く利上げを
余儀なくされる恐れがあると警告した。