EU財務相会合、銀行の破綻処理制度で合意

欧州連合EU財務相会合は19日午前、
域内銀行の破綻処理制度について合意した。

同日から開くEU首脳会議で正式に了承し、
来年、欧州議会との最終調整を行う。

破綻処理制度では、まず欧州中央銀行(ECB)が、
経営の悪化した銀行が存続可能かどうかを判断。

その後、銀行を破綻させる権限を持つ新機関、
欧州委員会、最大18カ国のユーロ圏加盟国が
破綻手続きに関与する。

ドイツのショイブレ財務相は、こうした制度で
迅速な破綻処理が行えるのかとの懸念に対し
「破綻処理は週末の間に迅速に行う必要がある」とし、
新制度で迅速な対応が可能だとの認識を示した。

欧州議会がこの制度を承認するかは不透明。

ユーロ圏財務相会合は18日未明、域内銀行の
破綻処理に伴う費用の分担方法について合意。

銀行が今後10年をかけて単一の破綻処理基金(SRF)に
約550億ユーロ(760億ドル)を拠出する。

この基金に十分な資金が貯まるまでの間は、各国政府が、
銀行業界への増税によって必要な資金を調達し、
不足する場合には公的資金を活用する。

それでも足りない場合には、2012年のスペインのように、
当該国が厳しい条件付きで欧州安定メカニズム(ESM)
から融資を受ける。

ショイブレ財務相は、ユーロ圏の銀行破綻処理に
ESMの資金を直接活用することはできないと表明。

支援対象はあくまで政府であり、銀行に対し
直接実施されることはないと改めて強調した。

財政難の政府が問題行を支援するという悪循環を
断ち切りたいフランスなど多くの国の間では、
ドイツが今後の交渉でさらに譲歩するのではないか
との期待が残っている。