年末資金供給量が200兆円超え、日銀の目標上回る

日銀は30日、年内最後の営業日となる同日の
マネタリーベース(資金供給量)の残高を公表した。

今年4月に導入した異次元緩和によって積極的な
資金供給を続けた結果、201兆8500億円となり、
年末目標の200兆円を突破。

前年末に比べて1.5倍程度に膨らんだ。

日銀は2%の物価安定目標の早期実現に向け、
来年も大規模な金融緩和を継続する。

今年3月に就任した黒田東彦総裁の下、
日銀は長期国債の大量購入を柱に、
マネタリーベースを年間で60〜70兆円
増加させる異次元緩和を導入。

マネタリーベースの残高と長期国債
株価指数連動型上場投資信託ETF)の
保有額をそれぞれ2年間で2倍に拡大することを
目指し、大規模な資金供給を継続している。

この結果、同日に公表した主要勘定によると、
30日の国債保有額(短期国債含む)は
181兆3958億円となり、前年末の
約113.7兆円に比べて1.6倍程度に増加した。

異次元緩和の狙いは、日銀が掲げている
2%の物価安定目標を2年程度で実現すること。

足元では、消費者物価(生鮮食品除く、
コアCPI)の前年比上昇率が1%を
超えてきており、順調に道筋を
たどっていると評価している。

日銀では、早期の目標達成に向けて
「来年も引き続き、量的・質的緩和を
しっかり実施していく」(黒田総裁)と
大規模な金融緩和を続ける方針で、
2014年末のマネタリーベースは
270兆円に拡大すると見込んでいる。