ユーロ圏に根拠なきインフレ懸念の要因ない=独連銀総裁

欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーの
イトマン独連銀総裁は16日、ユーロ圏に
「根拠なきインフレ懸念」の要因はないと指摘し、
デフレに陥るリスクにも否定的な見方を示した。

イトマン総裁は講演で「不合理なインフレ懸念を
あおる理由はないというドラギECB総裁の見解に
全面的に賛同する」と述べ、ユーロ圏はデフレシナリオに
陥るリスクに直面していないとの見方を示した。

タカ派として知られるバイトマン総裁がユーロ圏の
低インフレなどを理由にECBの拡張的な政策スタンスに
支持を表明した格好で、ECB理事会内で以前ほど見解が
分かれていない可能性を示唆した。

ただ、金利を長期間低水準に据え置くことには
改めて懸念を示し、超緩和的な政策を経済の
「恒久的な治療」にしてはならないとけん制した。

景気見通しについては、全般的に昨年より明るさを
増しており、債務危機で最も大きな打撃を受けた国にも
一部で改善が見られると指摘した。

また、危機が深刻化した時期は周辺国に注目が
集まったが、現在はフランスが役割を果たすことを
求められているとし、他国の手本として同国が
競争力を回復することがユーロ圏全体の回復の
決め手になるとの見方を示した。

ドイツ経済については、低水準の失業率と
消費需要の拡大により今年と来年も上向き傾向に
なると予想。

ドイツ国内経済は、2013年に見られた緩やかな
成長率を上回るものに既になっている」と述べた。

将来的に民間金融機関に転出することは考えられるか
との質問に対しては、「現在の職に非常に満足している」
と答え、独連銀総裁として2期目を務めることが
可能であれば喜んで留任すると述べた。