日銀、現時点で追加緩和の必要ない=IMFアジア太平洋副局長

国際通貨基金IMF)のアジア太平洋局の
ジェリー・シフ副局長は12日、インフレ率が
日銀の目標である2%に向かって上昇しつつ
あるなか、現時点で日銀が一段の緩和策を
講じる必要はないとの見解を示した。

ただ、最近の世界的な市場の混乱を受け、
日銀は今後の動向を注視し、インフレが
伸び悩む兆しがあれば「必要な措置を講じる」
べきとの考えを示した。

最近の市場の不安定な動きについては、
過度に懸念していないと述べるとともに、
FRBの緩和縮小とは直接関係ないと指摘した。

その上で「今後数年FRBの緩和縮小により
新興国市場が不安定になる可能性があることは
明らかだ」とし、そのため新興国は、市場混乱の
影響をできるだけ少なくするため構造改革などを
進める必要がある、との認識を示した。

また、米緩和策縮小の継続は、米経済成長が
かなり底堅くなるとの見通しを反映しており、
堅調な経済成長により多くの新興国の輸出は
支援されることになる、との考えを示した。

一方、市場の混乱が長引いたり、今よりも拡大すれば、
安全資産としての円需要が高まり、円高が進む可能性が
あると指摘。

ただ、こうしたリスクは現時点では
抑えられている、との見方を示した。