来週のG20財務相会議、声明で米金融政策の問題に言及も=当局者

オーストラリアのシドニーで来週開かれる
20カ国・地域(G20財務相中央銀行総裁会議で、
米国の金融政策が新興国からの資金流出を招いた
として米国が批判を浴び、会議後に採択される声明で
米金融政策に関する問題が言及される可能性がある。

G20当局者が明らかにした。

22日から2日間の日程で開かれる今回の
G20財務相・中銀総裁会議では、財政・
金融政策、及び構造改革をどのように
変革すれば世界的な経済成長を
押し上げられるかを検討する。

投資、雇用、貿易、競争の
4分野に注目して討議が進められる。

同当局者は、「財務相・中銀総裁は、
堅固で持続可能、かつ均衡のとれた
成長の達成に向けた目標を決定する。

何らかの数値目標が設定されるとしたら、
どの程度の積極性をもって進めるかに
ついても決定する」と述べた。

ただ、中国経済の失速懸念や米連邦準備理事会
FRB)が予想より早い時期に金融引き締めに
転じるとの観測から、1月以降、新興国から
資金が流出。

今回のG20財務相・中銀総裁会議の
波乱要因となる可能性もある。

資金流出を受け、トルコ、南アフリカ
インド、ブラジル各国は利上げを実施。

こうした対策は資金流出の歯止めには効果を
示しても、それぞれの国の経済成長を
後押しするものではない。

同当局者は「投資を呼び込むには金利
低水準に抑える必要がある一方、資本の
逃避を防ぐには利上げが必要になる。新興国
こうしたジレンマに陥っている」と指摘。

「一部の国は利上げに踏み切り、特にトルコは
大幅な利上げを実施した。これにより為替相場
安定したとしても、実質成長率の面での代償を
払う必要がある」とし、一部新興国からは、
資金流失を防ぐためにFRBは十分に情報を
伝達しなかったとの批判が出ていると述べた。

新興国の間では、米国が2010年に新興国
割り当てられる議決権の拡大を盛り込んだ
国際通貨基金IMF)改革を批准しなかった
ことに対する不満も解消されていない。

同当局者は「米国が集中砲火を浴びる恐れもある」
とし、G20声明に米国の金融政策に関する問題が
盛り込まれる可能性があるとの見方を示した。

ただ、新興国が自国が抱える問題にどのように
対処するかG20の場で提案を示すかは、
現時点では不明としている。