明確な緩和縮小見通し求める声、ガイダンス修正示唆=FOMC要旨

米連邦準備理事会(FRB)が19日に公表した
1月28〜29日の連邦公開市場委員会FOMC
議事要旨で、経済見通しに大きな変化がない限り、
毎回の会合で債券買い入れ額を100億ドルずつ
縮小していくという明確な見通しを示すことを
メンバー数人が望んでいたことが分かった。

金利維持に関するガイダンスの修正をめぐっても、
金融安定への懸念を含める案が浮上、修正の仕方に
関する決定が近いことを示唆した。

バーナンキ議長指揮下で最後となった1月の
FOMCでは、新興国市場の混乱にもかかわらず、
100億ドルの追加緩和縮小を決定した。

議事要旨は「数名の参加者は、経済見通しが
著しく変化しなければ、毎回のFOMC会合で
債券購入ペースを100億ドルずつ縮小していくことを
支持する明確な根拠があるはずと主張した」としている。

一方で、複数の参加者は、経済が見通しから
大きく逸脱したら、緩和縮小計画を調整すべき
との見解を示した。

FRBはこれまで、とりわけインフレ率が
目標の2%を下回っている限り、失業率が
6.5%の数値基準を下回っても、かなりの間
金利をゼロ近辺に維持する方針を表明している。

今回の議事要旨では、失業率が現在6.6%と、
数値基準の6.5%目前に迫る中、FRB当局者が
ガイダンスを近く変更すると見込んでいることが
示された。

ただ、数値基準を単純に引き下げる
ことには支持が集まっていないもようだ。

要旨は「失業率が数値基準に達したら、
フェデラルファンド(FF)金利に関する
決定を方向付ける要因の1つとして、
金融安定へのリスクが一段と明確に
示されるべきと、複数の参加者が
示唆した」と指摘。

政策引き締め時期の決定にあたり、資産価格
バブルなど金融市場のリスクがより重要な
検討要因になる可能性が高まった。

また複数の当局者は、新たなガイダンスでも
「インフレ率が一貫してFOMCの長期目標である
2%を下回っている場合、FRBは低金利
維持することに前向きである」ことを
強調すべきと主張した。

要旨ではまた、一部の当局者が金融引き締めが
「比較的早期に」実施される可能性を指摘した。

ただこれはFRB内では少数派とみられている。

議事要旨は全体的に明るいトーンだったが、
新興国の混乱が米経済の成長を脅かす恐れが
あるとの見方も示された。

また一部の参加者は、FRBの長期目標
及び金融政策戦略に関する文言を変更し、
インフレ率が継続的に2%を下回ることは、
継続的に2%を上回るのと同様に望ましいこと
ではないと明確に示すことを求めた。

ただ結果的にはFRB
小幅な文言修正にとどめている。

タルーロ理事は「FOMCの政策に関する
コミュニケーション、または幅広い
コンセンサスを実現するとの目標を
推進していないと引き続き考える」として、
この件に関する投票を棄権した。

1月のFOMCは、2011年6月
以来初めて反対票が出なかった。

バーナンキ議長時代のFRBでは、
いかに内部の意見が割れていたかを物語っている。

次回会合はイエレン新議長の下、
3月18〜19日に開催される。