国際金融会議で出来ることはない

今週の為替相場は、
もみ合いが継続しそうです。

先進20カ国財務相中央銀行総裁会議
(G20)が開催されましたが、依然として、
先進国と新興国の対立が目立ち、双方が
納得する解決策は打ち出せませんでした。

新興国は、米国が超緩和策の解除を
行い始めたことに異議を唱えています。

米国の金融政策の変更が、新興国にとって、
大きなマイナス要因になることを指摘しています。

これに対し、米国は新興国
自助努力の必要性を指摘しています。

先進国では、新興国の危機を補う力が
なくなっていることが、先進国と新興国
対立に繋がっているようです。

もっと言えば、米国に
その力がなくなっているのです。

米国自身の問題を解決するのに
必死な状況が続いているわけです。

欧州も域内の問題に忙殺されています。

危機の芽は至るところにあり、ユーロ圏を
作ったことが、良かったのか悪かったのか、
迷っている状況が続いているわけです。

さらに、民族主義の台頭で、民族間の
争いも増えて、経済面だけではなく、
社会、政治面でも不安定になっています。

そんな時に、新興国のことなど
考える余裕はありません。

ビジネスチャンスがあれば、えげつなく
新興国問題に関与しますが、それ以外の
ことはしないのが欧州の流儀です。

新たな金融破綻を起こさないことが、
今の最大のテーマです。

日本はどうでしょう。

米国に次ぐ金融大国の地位を投げ捨てて、
異次元の金融緩和を行い、強力な
円安誘導を行いました。

結果として、100円台に円を下落させることには
成功しましたが、円安誘導も勢いを失いました。

円安誘導をして、輸出が回復し、国内の経済を
活性化させるという目論見は上手くいっていません。

円安になっても、輸出は回復せず、
貿易赤字が拡大する一方です。

そんな日本が、新興国問題に
正面から立ち向かうことは出来ません。

政治問題で、中国や韓国と対立するなかで、
戦勝国と敗戦国という議論にすり替えられる中で、
日本の国際的な地位は一段と低下しています。

そんな日本の主張が通るはずがありません。

安倍首相の靖国参拝が大きな転機になりました。

先進国と新興国の間に入る国がないことで、
実のある国際金融会議が開けるはずがありません。

ただ、今週は、米国債の償還に
伴う円買い需要が想定されます。

ユーロ債の償還に伴う円買いと合わせて、
円買いが市場に影響を与えるか注目しています。

予想レンジは、
ドル円が98.20〜104.20円、
ユーロ円が137.20〜143.20円、
英ポンド円が167.20〜173.20円、
ドル円が87.20〜93.20円。