ECB総裁がデフレ否定、物価安定への下方リスクに警戒

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は27日、
ユーロ圏はデフレに陥っていないが、ECBは
物価安定に対する潜在的な下方リスクを
警戒しており、必要なら行動する用意が
あるとの見解を示した。

ただ、3月6日の理事会でECBが何らかの
措置を決定するかについては何も手掛かりを
示さなかった。

同総裁は講演で、将来的なデフレの兆しとなる
家計消費の抑制はユーロ圏では見られないと指摘。

「ユーロ圏のインフレ率は平均0.8%となっており、
明らかにデフレには陥っていない」と述べた。

また、「ユーロ圏の中長期的なインフレ期待は、
2%に近いがこれを下回る水準とするECBの
目標に沿ってしっかりと抑制され続けている」
との見方を示した。

ドラギ総裁は、エネルギー価格の下落が
物価を押し下げる一因となったと指摘。

ただ、消費者の間で支出を
先送りする動きは見られないとした。

その上で、「経済の緩みの吸収が阻害されれば、
一段とマイナスの動きが出る可能性がある」と警告。

「このため、物価安定に対するさらなる
下向リスクが台頭する兆しがあるか引き続き
注視し、対応する用意を整えている」と述べた。

ユーロ圏経済については、回復は徐々に
根付きつつあるとしながらも、「回復のペースは
幾分緩慢で、一様ではない」との見方を示した。

また、「ECBの主要政策金利は長期間にわたり
現行水準、もしくはこれを下回る水準にとどまる」
と述べ、ECBのフォワドガイダンスを確認した。

ECBの債券買い入れ策(OMT)については、
「他のすべてのECBの金融政策措置と同様、
OMTは(EU基本) 条約が定める物価安定に
関する責務にECBが確実に沿う一助となった」
との立場を示した。