英国のEUに対する希望をすべてかなえるのは不可能=独首相

メルケル独首相は27日に英議会両院で演説し、
キャメロン英首相に対して、英政府の利益のために
欧州連合EU)の抜本的な再編を約束する
用意はないと表明した。

ただ、EUには改革が必要な部分もあり、
英国はEUを離脱するべきではないと述べた。

両院で演説した独首脳は、
第二次大戦以降3人目。

メルケル首相は英語で「私がこの演説で、
すべての点もしくは具体的な要望について
英国を満足させるようなEUの根本的な
構造改革への道を開くと期待している人も
いるだろう。残念ながら、そういう人々は
失望することになる」と発言。

「逆に、英国以外の欧州諸国は英国をEU
残留させるための犠牲は払わないという、
明確かつシンプルなメッセージを私が発すると
期待している人もいるだろう。残念だが
その希望も打ち砕かれることになる」と述べた。

さらにメルケル首相は「EUには強い国英国が
必要だとの強力な意見が、EU内から上がっている。
英国が残留すれば、必要な改革が可能となり、
加盟国全体が恩恵を受けられるだろう」
との意見を表明した。

メルケル氏の演説は、EUから権力を取り戻したい
というキャメロン首相に一定の理解を示しつつも、
それ以上の支援はできないということを明確にした
バランスの取れたものとなった。

キャメロン首相はEU改革に関するすべての要望を
明らかにしているわけではないが、新たな加盟国からの
移民の規制や競争政策の改善などを求める考えは
すでに明確にしている。