EUが銀行破綻処理機関の設立で合意、基金規模は550億ユーロに

欧州連合EU)は20日、ユーロ圏の
銀行破綻処理を一元化する新たな機関の
設立と銀行の拠出金で賄う破綻処理基金
創設で合意した。

草案文書と関係者の話で明らかになった。

銀行破綻処理策はEUが進める
銀行同盟構想の第2段階となるもの。

第1段階である欧州中央銀行(ECB)による
銀行監督の一元化は年内に予定されている。

草案文書によると、ユーロ圏の銀行の拠出により、
8年間かけて550億ユーロ相当の破綻処理基金
設立する。

従来は基金積み立て期間を
10年としていた。

基金の40%は当初から加盟国の
間で共有され、3年後はこれが70%となる。

この日の合意内容には、欧州議会
EU財務相の最終承認が必要。

不採算銀行の閉鎖では、ECBが
主要な役割を担うことで合意した。

これにより、銀行閉鎖の決定で
各国政府が反発する余地は少なくなる。

ただ、破綻処理基金は資金が枯渇しても、
既存の金融安全網である欧州安定メカニズム
(ESM)から資金を借り入れることはできない。

このため、専門家の一部には、
銀行同盟の存在意義を疑問視する声がある。

ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスLSE)の
ポール・デ・グラウウェ氏は、「銀行同盟の鍵となるのは
金融での影響力だが、それは備わっていないので、
銀行同盟は存在しない」と指摘。

金融危機が再び起きたとしても、2008年と
同様に各国が個別に対応することになるだろう」
とした。