米大統領がロシアに追加制裁、中核セクターへの拡大も

オバマ米大統領20日、ロシアによる
クリミア編入を受け、新たにプーチン大統領
側近を含むロシア人20人と、政府当局者との
つながりが深い銀行1行に追加制裁を科すと
発表した。

またロシアがウクライナでの実効支配を
拡大した場合には、ロシアの中核セクターを
対象に制裁措置を拡大する可能性を示した。

制裁対象者の米国内の資産を
凍結するとともに、米国への渡航を禁じる。

財務省は、今回制裁の対象に含まれた
バンク・ロシア(資産規模100億ドル)は、
プーチン大統領の側近を含む、ロシア政府要人の
プライベートバンクとしている。

対象はほかに、世界大手の独立系商品取引会社
グンボルの共同創業者ゲンナジー・ティムチェンコ氏、
国営ロシア鉄道幹部のウラジーミル・ヤクーニン氏、
プーチン氏の側近アンドレイ・フルセンコ氏、
大統領府長官のセルゲイ・イワノフ氏も含まれる。

今回の20人を合わせると、
一連の米制裁対象者は31人となった。

オバマ大統領はまた、ロシアがウクライナ東部や
南部にも軍を侵攻させた場合に、ロシアの幅広い
セクターへの制裁を可能にする大統領令に署名した
と明らかにした。

米政府高官は、金融サービスや中核のエネルギー、
防衛、鉱山セクターなど、ロシア経済の幅広い分野が
制裁の対象になり得ると明らかにした。

ロシアのガス・石油産業だけで
ロシアの年間収入の約半分を占める。

オバマ大統領はホワイトハウスでの会見で、
ロシアによるウクライナ東部及び南部への脅威は、
危機をさらに悪化させる深刻なリスクをはらむと指摘。

「制裁はロシア経済に打撃を与えるだけでなく、
世界経済にとっても阻害要因となる恐れがあるため、
望んだ結果ではない」としながらも、「ロシアは
事態を一段とエスカレートさせれば、国際社会から
さらに孤立するだけだと認識すべき」と述べた。