米国に対する信認がテーマに

今週の為替相場は、大きな材料を
睨みながらの推移が予想されます。

日本では、4月1日から消費税率が
5%から8%に引き上げられます。

消費税率の引き上げは久しぶりで、
その影響が懸念されています。

また4月1日には、
日銀短観が発表されます。

足元の業況判断はともかく、先行きの判断は
消費税率の引き上げもあって、悪化すると
見込まれています。

これまで、アベノミクスという、訳のわからない
期待感を背景に円安、株高が実現したのですが、
消費税率の引き上げによって期待感が剥落すると、
どんなことが起こるか、不安が募ります。

一方、米国では雇用統計の発表が予定されています。

金融政策の指標として、雇用統計は注目されていましたが、
一向にめざましい回復を見せないことで、指標としての
役割を終えることになるのです。

本来なら、指標としての役割は最後まで担うのが
筋なのでしょうが、飽きやすい米国人にとって、
長く待つのは苦手だったのでしょう。

この日米の大きな材料が
為替相場のトピックになりそうです。

とは言え、この程度の材料で、相場が
大きく振れることも考えにくいと思います。

余程の材料でない限りは大きな動きには
繋がりにくいと思います。

4月以降の為替相場は何を材料にするのでしょうか。

ウクライナ問題は、米国の信認を
ひどく傷付けています。

ロシアは結局、ウクライナ
分裂を思う通りに行いました。

無傷で、ウクライナのクリミア地方を
併合することが出来ました。

さらに、ウクライナそのものにも触手を
伸ばして、併合する構えを隠していません。

これに対し、米国や欧州は、経済制裁
行っていますが、効果の乏しいものばかりです。

決して、武力で対抗する姿勢を見せていません。

武力を行使してまで、ウクライナ
守る心積もりはないようです。

世界の警察官の役割を米国は
終えたと考えているようです。

ロシアは、米国の軟弱な姿勢を読み取って、
まんまとクリミアを併合したのです。

米国が、武力を使わないことが、さらに
はっきりすれば、米国に対する信認は
大きく下落します。

経済力、政治力、そして軍事力が
米国の存在感を輝かしいものに
していたわけです。

経済は落ち目で、オバマ大統領が
就任してから政治力は落ち込んでいます。

これで軍事力も張り子の虎という評価が
強まれば、米国に対する信認は大きく落ち込みます。

そうなると、米国の経済力、政治力、軍事力に
裏打ちされていた、ドルの信認が落ちる
ということになるのです。

戦後、世界の経済を牽引してきたドルが、
米国の指導力の低下とともに、影響力を
無くしていくわけです。

英ポンドが凋落したように、ドルの凋落も
カウントダウンに入るのかも知れません。

だから、ドルを買う材料があっても、
ドルを買い上げる力が続かないのかも知れません。

予想レンジは、
ドル円が98.20〜104.20円、
ユーロ円が138.20〜144.20円、
英ポンド円が168.20〜174.20円、
ドル円が92.20〜98.20円。