中国銀行監督当局、信託会社の規制を強化=関係筋

中国銀行業監督管理委員会(銀監会)が
信託会社の規制強化に関する指針を
公表したことが、事情に詳しい関係筋の
話で明らかになった。

シャドーバンキング(影の銀行)の代表格である
信託会社に起因するシステミックリスクの抑制を
狙ったとみられる。

銀監会は信託会社に対し、高利回り投資商品
「理財商品(WMP)」の販売から得た資金などを
管理し、償還期限を迎えた同商品の支払いの
ために使う「資金プール」の運用を禁じた。

また、新たな指針は、流動性の問題が
生じた際に株主が信託会社を支援できるような
仕組みを策定するよう求めている。

同指針を確認した信託業界の幹部によると、
当局は、信託会社の1商品の流動性の問題が
システミックリスクの発生につながる可能性を
懸念している。

「資金プール」には現金だけでなく、
様々な理財商品の投資対象資産が含まれており、
理財商品の運用や販売で提携する信託会社と
銀行により管理されている。

当局は、信託会社に対し、複数の理財商品の
資産や現金を同じ資金プールで管理するのではなく、
WMPの償還を投資対象商品である融資や
債券などの償還期限と一致させるよう求めている。

信託会社は資金プールを利用することで、WMP
利回りを高く設定し、投資家にとってより魅力的な
商品にすることができる。

WMPの償還は一般的に、
投資対象商品の償還よりも短い。

信託会社をめぐっては今年、石炭会社への
融資を裏付けとし、信託会社が組成した
高利回りの投資商品がデフォルト
債務不履行)に陥り、システミックリスクの
懸念が広がった。

銀監会はまた、信託会社に対し、損失により
資本水準が低下した場合は貸し出しを減らすよう求めた。