ヘッジファンドは金融危機の混乱の震源=米SF連銀リポート

米サンフランシスコ(SF)地区連銀は14日、
2007〜2009年の金融危機時に市場を混乱させた
最大の要因は銀行ではなくヘッジファンドだった
可能性を指摘する分析リポートを発表した。

リポートを執筆したゲーテ大学のライント・
グロップ教授は、ヘッジファンドが金融市場に
もたらすシステミックリスクが、これまで
考えられていたより大きく、金融危機時は
震源的存在だった可能性があるとしている。

グロップ教授は、リターンを高めるため、
多額の借り入れをすることが多いヘッジファンドは、
市場の状況が急変すると大きな損失を被りやすくなり、
その損失は、直接的あるいは間接的に他の金融機関に
飛び火すると指摘。

ヘッジファンドがデフォルト(債務不履行)を
起こせば直接的な影響となり、ヘッジファンド
債務返済のために資産を投げ売りするなどした場合は、
間接的な影響が及ぶとしている。

リポートは「(市場が)落ち着いている局面では、
ヘッジファンドがもたらすリスクは、(銀行、
投資銀行、保険会社など)他の金融機関と
同程度に小さい」とする一方、「危機時は、
ヘッジファンドが、分析対象の他の3種類の
金融機関に与えるショックは多大である」とし、
なかでも投資銀行が最も大きな影響を受ける
と指摘した。