消費増税の影響は吸収可能、金融システム健全=中曽日銀副総裁

日銀の中曽宏副総裁は23日、京都市内で講演し、
日本経済は4月の消費税率引き上げの影響を
吸収できるとの見解を示した。

雇用・所得環境の改善に加え、金融システムの
健全性が維持されており、増税後に景気が悪化した
1997年とは環境が「決定的に異なる」と強調した。

中曽副総裁は、足元の日本経済について「デフレ均衡から
着実に脱出しつつあるように見える」と指摘。

もっとも、日銀が掲げる2%の物価安定目標の達成には
「なお道半ば」とし、4月の消費税率引き上げが日本経済に
与える影響が「注目されている」と語った。

増税の影響については「なおデータの蓄積を待ちたい」
としながらも、「日本経済は全体として消費税率引き上げの
影響を吸収していく頑健性を備えている」と主張。

前回、消費税率引き上げが行われ、その後に景気が
落ち込んだ1997年と比較し、「今回は金融システムの
健全性が維持されていることが決定的に異なる」と強調した。

その上で、金融政策運営について「何らかのリスク要因に
よって見通しに変化が生じれば、2%の物価安定目標を
実現するために必要な調整を行う」と指摘。

日本経済の持続的な成長には「政府による成長力強化の
ための施策が着実に実行されていくことを強く
期待している」と政府に注文した。

さらに、持続的な経済成長は「安定した金融システムの
もとで、円滑な金融仲介機能が発揮されることが前提」
と述べ、「金融システムの安定は、金融政策の有効性を
確保するためにも必要」と語った。