ユーロ圏の量的緩和は複雑、多くの問題=エストニア中銀総裁

欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのハンソン・エストニア中銀総裁は、
量的緩和QE)の運用は複雑で、実際始めるには多くの問題があるとし、
ECBがデフレ回避に向け同措置を実施する可能性に懐疑的な見方を示した。

同総裁はロイターに対し「運用が複雑なため、私は依然として
疑問を持っている。決めるべき多くの問題がある」と指摘。
その上で「どのタイプの資産を当初買い入れるのか、どういう
ルールとするのか、18中銀が金融政策を実施しており
分散システムのなかどう実施するのか、法的問題など
検討すべき点が多い。そう簡単ではないと思う」と述べた。

ユーロ圏の金融システムが、一段と市場原理に基づく
米金融システムとは異にすることを踏まえ、QE
効果をめぐり、先入観なく精査していくことが必要と語った。

QEをはじめ、非標準的措置を講じる前にECBが
利下げに踏み切る可能性はあるかとの質問に対しては、
「序列付けができるとは考えていない」とし、措置の
選択は状況次第と強調。

流動性に関する問題により焦点を置くのであれば、
流動性関連の措置を選ぶことになるだろう」と述べた。

また、ユーロの動向が中期インフレ見通しにリスクを
及ぼすことがないか、ECBはユーロ相場を
注視すべきとした。

ユーロ相場の特定の水準を注視しているか
との質問に対しては「ない」と応じた。