ドル戻りの弱さを確認か

今週の為替相場は、引き続き
ユーロが軟調に推移すると見ています。

6月のECB理事会での利下げは
既定路線と見られている中で、発表される
ユーロ圏の経済指標が悪化していることも、
ユーロの売り圧力に繋がっています。

特に、ユーロ圏で一人勝ちだったドイツの
経済指標が悪化すると、ユーロ売りが
強まるようです。

さすがのドイツ経済の力強さも、ユーロ圏経済が
落ち込む中で、悪い影響が出てきているようです。

ユーロ圏は、これまでユーロ経済の足を
引っ張っていた国々の、格付けが引き上げられるなど、
一部では不安感が解消される動きが出ています。

しかし、これもいい加減な格付けを行っている、
格付け会社が指摘していることで、実態は誰にも
分からない、と言うのが真実かも知れません。

それより、好調だったドイツ経済に陰りが
出てきたことが、大きな問題になりそうです。

辛うじて、金融危機が爆発していないだけで、
これまではドイツに対する信認が強かったのに、
そのドイツが危ういことになったら、ユーロ圏は
かなり痛手を被ると見ています。

市場は、ユーロ圏の利下げとドイツ経済悪化による、
ユーロ経済の混沌を読み取って、ユーロを売りたい
気持ちになっているようです。

一方、ドルはやや底堅い動きが見られます。

ユーロが軟調に推移していることが、
ドル買いを誘っているように見えます。

それがあるから、ドルは底堅く
見えていると思います。

ドル円で見ると、相場は全く
動いていないように見えます。

101円台を中心に、僅かな動きが
見られる程度です。

本来なら、米国は金融政策を、
これまでの超緩和から、引き締めに
転じようとしているのですから、
ドルがもっと上昇しても良いと思います。

金利差を意識すれば、ドル高円安が
強く意識されるのですから、ドル買いが
強まる当たり前です。

そうならない要因は、
ドルの側にあると思います。

端的に言えば、基軸通貨としての
耐用期間が過ぎている、ことでしょうか。

ドルに変わる基軸通貨が生まれていないことで、
騙し騙しドルが基軸通貨になっている無理が、
ドル買い材料に素直に反応しない、為替相場
形作っているのではないでしょうか。

戦後、米国自身が軍事的にも、経済的にも、
政治的にも疲弊する中で、ドルはもう
持たないと、悲鳴をあげているのかも知れません。

予想レンジは、
ドル円が98.20〜103.20円、
ユーロ円が137.20〜142.20円、
英ポンド円が168.20〜173.20円、
ドル円が91.20〜96.20円。