出口戦略の詳細検討、債券買入10月終了へ=米FOMC議事要旨

米連邦準備理事会(FRB)が9日に公表した6月17〜18日分の
連邦公開市場委員会FOMC)議事要旨によると、金融緩和の
解除に向けた出口戦略の詳細について検討を始めたことが
明らかになった。

10月の債券買い入れ終了が示唆されたほか、
将来の金利調節の手法についてもほぼ合意に
達した。

リバースレポと超過準備預金金利(IOER)の双方を
活用して政策金利の上限と下限を定める方向で、
当局者らが概ね一致。

正式な決定はなかったが、多くの参加者がIOERと
リバースレポの金利差を20ベーシスポイント(bp)
程度とすることを支持したという。

議事要旨によると、FOMC参加者は米国債
住宅ローン担保証券MBS)の月々の購入を
10月に終え、最後は150億ドル削減で
終了することで「概ね合意」した。

参加者は、緩やかな経済成長が続き、失業率と
物価上昇率FRBの目標に徐々に近づいていくことに
総じて自信を示した。

ただ、最近の金融市場の変動が小さいことについて
投資家が「先行きの不透明感を十分に考慮していない」
とする懸念も挙がった。

4兆2千億ドルに上る保有証券が満期を迎えた後の
再投資方針についても、より詳細な議論がなされた。

金融市場を混乱させずに保有証券を減らす上で、
再投資の打ち切りを利上げ開始の前か後かにするか
意見が割れた。

再投資を徐々に減らしていく案も出た。

「なめらかにバランスシートを縮小」するために、
一部を再投資する可能性もある。

量的緩和で金融システムに供給された資金の多くを
銀行はFRBに預け入れており、FRBの超過準備と
なっている。

大量の資金を抱える銀行は、短期金融市場で資金を
借りる必要がなく、FF金利誘導目標設定による
金利調整効果は限定的となっている。

このことは、FRBの出口戦略を
複雑なものにしている。

リバースレポと超過準備預金金利(IOER)は、
利上げ開始が適切と判断された場合、金利
操作する新たな手段となる。

リバースレポは現在、試験的に運用されているが、
将来的には正式に導入されるとみられる。

銀行以外にも、FRBに資金を預け入れることが
できないマネーマーケットファンドや住宅ローン機関が
抱える資金のコントロールにも役立つ見通し。

IOERを上げ下げすることで、金融機関がFRB
預ける資金の量を調整することが可能になる。