ウクライナ情勢を見極めへ

今週の為替相場は、ウクライナ情勢を
見極める展開が継続すると思います。

米国では、経済指標が堅調で、FRB
早期の利上げに踏み切るとの見方が
一段と強まっています。

地区連銀総裁の中には、年内の
利上げを指摘する声も出ています。

この中、今週は雇用統計が発表されます。

雇用市場に、戻ってきた人が増えれば、
失業率が悪化することも考えられます。

しかし、仮に失業率が悪化しても、景気の回復を
反映したものとの見方が強まれば、失業率の悪化は
材料にされにくくなると考えます。

米金融政策の足枷となっていた、雇用統計の
改善を市場は素直に受け止めて、ドル買いを
強めるのか否か、注目されます。

この中で、大きな問題となっているのが、
ウクライナ情勢です。

今までは、ウクライナ東部で活動していたのは、
親ロシア組織とされていましたが、親ロシア組織の
背後に、ロシア軍が配備されていることが
明らかになりました。

ウクライナ領内に越境して、
ロシア軍が展開しているのです。

ロシア軍の武力で押されていた
ロシア連組織が反撃に出ています。

ウクライナとロシアは、首脳会議を行ったばかりで、
武力衝突の鎮静化を図ることで合意していました。

それにもかかわらず、ロシア軍は
ウクライナ領内に攻め込んでいるのです。

以前なら、これは戦争状態に入ったことを
示唆しています。

実際に、ウクライナとロシアは戦争しているわけですから、
双方の支持国が加わって、第三次世界大戦が起こっても、
おかしくない状態です。

プーチンロシア大統領の発言見ると、核も、通常兵器も
戦争の準備が整っていることを明らかにしています。

ウクライナに対する恫喝とともに、
国際社会に対する恫喝です。

弱腰のオバマ米政権は、国際社会を挑発する、
プーチン発言に、反撃も出来ません。

米国のそうした弱腰を見越して、
プーチンロシア大統領は恫喝しているのでしょう。

これを受けて、欧州では不安感が広がっています。

ロシアとの交易が多く、ロシアへの経済制裁
強まるなかで、経済面での悲鳴が聞かれています。

特に、東独を旧ソ連から金で買ったドイツにとっては、
ロシアに対する経済制裁が長引くことに対して不満が
あるようです。

東独を買った時に、どのような密約があったのか
分かりませんが、かなりの金額と将来的な経済の
結び付きで、何らかの約束をしたのかも知れません。

欧州の中では、ロシアに対する寛容なドイツと
厳しい英国との間では、温度差がある、と思います。

英国は、ヒットラーに妥協して痛い目にあっていますが、
ドイツは当事国だったので痛みが分からないのです。

ロシアは、欧州が一致結束していたいことを睨んで、
武力でウクライナを制圧しようとしているのす。

そんな欧州を取り巻く暗雲を睨んで、
市場ではユーロ売りが強まっています。

今は欧州の危機にとどまっていますが、
米国にとっても、テロとの戦いを上回る
事態になることが予想されています。

これが、買い材料ばかり目立つドルが
上昇しにくい要因になっているのかも知れません。

日本は世界情勢が一段と厳しさを増す中で、
坊っちゃん同士のゲームが進んでいます。

戦前の日本は正しかったと勇敢に唱える安倍首相と、
軍事お宅の石破幹事長の面子の戦いを行っています。

両方ともに傷付かないように、シャンシャンと
手打ちがされたようですが、国際的危機に対する
反応の鈍さが気掛かりです。

リスク回避の急激な円買いを避ける算段を
今のうちに構築する必要があるのではないでしょうか。

予想レンジは、
ドル円が101.20〜105.20円、
ユーロ円が134.20〜139.20円、
英ポンド円が168.20〜173.20円、
ドル円が92.20〜98.20円。