ECBのプラート理事、ABS政府保証でユーロ圏政府の再考促す

欧州中央銀行(ECB)のプラート専務理事は、
ECBが先に決定した資産担保証券(ABS)
買い入れについて、対象をシニア債から
よりリスクの高いトランシェに拡大するために、
政府保証の付与を検討するようユーロ圏の政府に
求める姿勢を示した。

ECBは信用力の高いシニア債を買い入れる計画だが、
政府保証があればよりリスクの高いメザニン債への
拡大もあり得るとの立場を示している。

ただ、フランスとドイツは
政府保証の付与に反対している。

プラート専務理事は18日に実施されたインタビューで、
「各国政府はこの手段を検討するべきだ」と述べた。

「われわれはメザニントランシェの全てを政府が
保証するよう求めているわけではなく、中小企業への
融資に対象を絞ることを考えている。額はそれほど
重要ではない」と述べた。

プラート氏はまた、ユーロ相場の比較的弱い動向は
ユーロ圏経済の停滞を反映しているとし、ECBが
ユーロの押し下げを狙っているとの見方を否定した。

同氏は「為替市場で起きていることはファンダメンタルズに
沿っている」と述べ、ECBは為替で目標を定めていない
との立場を繰り返した。

「米国は力強く回復しており、
われわれは弱い状態にある」とした。

ECBが18日実施した新長期資金供給オペ第1弾で
供給額が市場予想を下回り、ECBが追加の
資産買い入れの検討を余儀なくされるとの観測が
市場で浮上したことに関し、プラート専務理事は、
そのような結論を導き出すのは時期尚早だとした。

「6月から9月に発表された措置の組み合わせによって
バランスシートに相当大きな影響があるとわれわれは
強調してきた」と説明した。

ECBが最も安全なABSのシニアトランシェを
買い入れることについて、アナリストの一部は
銀行のバランスシート上に余剰資本を生じさせる
ものではないと批判している。

これに関しプラート氏は、ABS買い入れは
レバレッジ比率に影響を及ぼすため、銀行は
恩恵を受けることになるとの見解を示した。