欧州通貨の動きがカギか

今週の為替相場は、欧州通貨の
動きがカギになりそうです。

先週のECB理事会では、政策金利の変更は
なかったのですが、買い入れ国債の範囲が広がりました。

これまでは、格付け上位の銘柄に限られていましたが、
それだけでは買い入れ希望額に満たないことや、
格付けが下位の国債を買い入れないと資金を
上手にやりくり出来ない向きもあることから、
ECBとしては資金繰りを順調に行わさせるために、
思い切った策をとったわけです。

しかし、ECBの方針変更に対し、
ドイツなどの国から異議が上がっています。

買い入れ国債がジャンク級になってしまうことで、
将来的な資金の毀損に繋がるのではないか、
そんな懸念も出ています。

そうした懸念を受けて、市場は
ユーロ売りを仕掛けています。

ユーロは対ドルで一段安となり、
対円でもユーロ売りが強まっています。

ユーロの動向が、ドル円
影響を与えています。

この動きが、強まれば、
ドル円にも波及すると見ています。

ドル自身の材料は、発表された米雇用統計で、
買い安心感が広がっています。

非農業部門の新規雇用が24万人超えて、
失業率も6%を割り込みました。

FRBが金融政策の節目と見ていた水準を
割り込んで来たことで、超緩和策を
解除する理由が出てきたのです。

さらに、金融引き締めに舵を取ることも
可能になったと思われます。

早速、地区連銀総裁からは、利上げを
急ぐようとの発言が出ています。

市場は、そうした発言を材料にして、
ドル買いを仕掛ける動きが出て来るものと
思います。

この中、ユーロ売りが一段と強まるものと見られ、
円は対ドルで一段安になる可能性があると思います。

ドルの一人勝ち、そんな印象を持っています。

予想レンジは、
ドル円が107.20〜112.20円、
ユーロ円が134.20〜140.20円、
英ポンド円が172.20〜178.20円、
ドル円が93.20〜98.20円。