ECB、「低品質」証券化商品を購入の恐れも=独連銀総裁

欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーである
イトマン独連銀総裁は、資産担保証券(ABS)
買い入れプログラムの一環として、ECBが
割高な価格で「低品質のローン証券化商品」を
購入する恐れがあるとの認識を示した。

独誌フォーカスが5日、総裁の発言を伝えた。

ECBは2日、主要政策金利を据え置くとともに、
ABS及びカバードボンドの買い入れの詳細を
明らかにした。

ギリシャキプロスなど格付けが
「BBBマイナス」以下の国々も
買い入れ対象とする。

同誌によると、独連銀総裁は「これにより
民間銀行が負担する信用リスクは中銀に
移転されることになる」と指摘。

「しかし、それは市場経済における基本的な
責任原則に反するものであり、何かから利益を
得るなら、ネガティブな進展に伴う損失も
負担すべきだ」と述べた。

総裁は、この原則を放棄する危険性は世界的な
金融危機で示されていると付け加えた。

また、ECBの政策緩和により足元でユーロ安が
進んでいることを念頭に、「意図的に通貨安に
誘導しようという政策はカウンターリアクションも
引き起こすだろう。競争的な通貨安では結局のところ
敗者しかいなくなる」と警告した。

ECBのドラギ総裁は2日、為替レートは
ECBの政策ターゲットではないと述べた。