ストレステスト11行失格報道、ECB「結果公表前の情報は憶測」

欧州中央銀行(ECB)は、ECBの銀行ストレステスト
(健全性審査)で複数行が失格になったとの一部報道について、
26日の結果公表前の情報はすべて憶測に基づくものと警告した。

スペイン通信(EFE)は、ストレステストで
少なくとも11行が失格になったと報道。

ECBは、最終結果をまだ銀行に
送付していないと説明。

個別行についてはコメントを避けた。

報道で名前が挙がったオーストリア
エルステ銀行はこれを否定した。

ECB報道官は声明で「10月26日の最終結果前に
言及されたものは極めて憶測に基づいている」と述べた。

ECBは26日に130行について結果を公表する。

欧州銀行監督機構(EBA)は、26日の公表直前に
確認するまでは最終的な結果ではないと指摘した。

域内の銀行はすでに、ECBとの
「対話」を通じて一定の情報を得ている。

結果については公表前の23日に
通知を受ける予定。

エルステ銀行の広報担当者は、対話で
合格しないとの兆候はなかったと述べた。

報道で名前が挙がった他の銀行から
コメントは得られていない。

経営問題を抱える海運業界への信用供与が多い
ドイツの州立銀行HSHノルト銀行は、
ストレステストで不合格になるとの見方が
でていたが、関係筋によると現在のところ
テストに合格するとみられている。

EFEの報道では名前が挙がっていない。

EFEがストレステストで失格になると報じたのは、
エルステの他にイタリアのバンコ・ポポラーレ、
モンテ・デイ・パスキ、バンカ・ポポラーレ・
ディ・ミラノ、ギリシャのアルファ・バンク、
ピレウス・バンク、ユーロバンク、ポルトガル
ミレニアムBCP、ベルギーのデクシア。

EFEはオーストリアの別の1行と
キプロスの1行も失格になると報じている。

キプロスの政府高官は、
「これは間違っている」と述べた。

ある米大手銀のロンドン在勤トレーダーは、
EFEの報道について懐疑的な見方を示し、
「2013年時点の状況を示しているもので、
名前が挙がっている銀行の大半はすでに
2014年までに資本増強し、今年に入って
バランスシート上で有意義な行動を
取っている」と指摘した。

報道で名前が挙がったイタリア銀は
コメントを避けたが、バンカ・ポポラーレ・
ディ・ミラノの最高経営責任者(CEO)は先週、
ECBとの1対1の話し合いで得た情報は
安心感を与える内容だったと述べている。